世界大家族制とベーシックインカム(20)王仁三郎は世界の霊的ハブ

投稿:2022年07月16日

アメリカの大統領選挙で、共和党と民主党の候補者は、最初は数十人の候補者がいて、予備選挙のプロセスで一人に絞られて行く。
トランプ氏とバイデン氏が競った2020年の大統領選挙では、民主党の候補者は29人いたが、その中にベーシックインカムの導入を唱えている人がいた。
実業家のアンドリュー・ヤン氏だ。
18歳以上の全アメリカ国民に毎月1000ドル(日本円で10万円強)を配ろうというのだ。
ウィキペディア:2020年アメリカ合衆国大統領選挙
ウィキペディア:アンドリュー・ヤン

物価の違いや為替の関係もあって単純に比較できないが、日本円で10万円というのは、その年の5月に日本で全国民に配った定額給付金と同じ額である。
10万円を毎月配ってくれるなら人生楽勝だ。
都会に住んでいたら家賃で大半が消えてしまうが、田舎に住めば家賃が安いので働かなくても生きて行ける金額だ。

金額がいくらがいいのかはともかく、新しい思想というものは、事あるごとに社会に提起していかないと、浸透して行かない。
金額や財源の問題は二の次であり、まずはそういう思想があるのだということを知ってもらうために「宣伝」することが必要だと思う。

ベーシックインカムの思想は欧州で18世紀末に現れたようだ。日本で紹介されるようになったのは1990年代後半からで、本格的に知られるようになったのは2008年9月のリーマンショック以降だ。私がベーシックインカムを知ったのは東日本大震災(2011年)の年である。

ベーシックインカムを本格的に導入した国はまだどこにもない。具体的に財源や配り方などどうしたらいいか議論百出だ。まだ構想段階の政策である。
こういう新しい思想は国民の多くは知らないのだから、まずは宣伝が大切である。

しかし日本人が、何か新しい発想で社会を改革するということは、残念だが難しいと思う。
自ら新しいことを考えたり、新しいものを創り出すようなことは、日本は苦手な傾向にある。
結局、ベーシックインカムも外国でやり出してから日本でも導入することになるのであろう。
日本が最初にやり出すことは、まず考えられない。

外国のモノマネが得意なのは日本の特徴である。
欧米人は新しいものを生み出すことが得意だが、その代わりそれを改良し発展させることは不得意な傾向にある。
日本人は逆だ。新しいものを生み出すことは不得意だが、外国のものを採り入れて組み合わせ、アレンジし、発展させる能力には長けている。

王仁三郎の思想も、その最たるものだ。
王仁三郎の思想というものは、日本古来に伝わる思想や、外国の思想をうまく組み合わせて、さらにそれを発展させた形になっている。一体王仁三郎のオリジナルは何なのかと言ってもよく分からない。
おそらく、それら色々な思想を一つに統一したということが、王仁三郎のオリジナルなんだと思う。
これを私は「王仁三郎は霊的ハブである」と説明している。
ハブというのは沖縄にいるあのニョロニョロして長いやつ…ではなくて、車輪の中心部のことだ。自転車のタイヤの、外側のリムを支える沢山のスポークを車軸の部分で一つに繋ぐための真ん中のパーツがハブだ。
あるいはまた、パソコンで使う「USBハブ」などのハブだ。色々な周辺機器をパソコンに繋ぐための装置である。
世界の思想を一つに繋いだハブが王仁三郎なのだ。

日本もまたハブである。
世界の中心であり、首都であり、世界の親国だ。

それは「ス」である。
中心にあるものだ。

新しいものは、概して、社会の外周部から発生する。
宇宙創造から見ると、スから発して外周部へと広がって行く。スは宇宙のあらゆるものの根源である。
しかし物質界(人間界)においては逆である。
外周部から新しい文化が起こり、それが中心(ス)に集まり、結実する。根源ではなく、集結点だ。
だから、スの国である日本からは新しいものは生み出されなくても問題はない。役割が違うのだ。

しかし、世界の思想を一つに繋いだ王仁三郎から、様々な思想(救世教などの宗教や、合気道など)が沢山生まれて行ったように、日本で結実したものが、さらに世界へ広がって行くこともあるだろう。
それが御稜威というものなのかも知れない。

世界の親国である日本は、その御稜威を日本だけにとどめておいてはいけない。
世界から日本に集まって来るのだから、その御稜威は世界に返さないといけない。
政府紙幣を発行したり、ベーシックインカムを実行するのであれば、それは日本国内だけにとどめておくのではなく、世界的に実施するという発想を持たなくてはいけない。
日本人だけ生活が保障され、安逸に暮らせれば、それでいいのだろうか?
そんなことでは、自分だけが良ければそれでいいというエゴ国家になってしまう。
われよし・つよいものがちの国だ。
世界の親国である日本は、日本一国だけを考えるのではなく、世界をどうしたらいいかという観点で考えなくてはいけない。
王仁三郎が唱える「世界大家族制」はまさに世界を考えた発想である。

(続く)



(このシリーズは「霊界物語スーパーメールマガジン」令和2年(2020年)8月24日号から12月28日号にかけて25回連載した文章に加筆訂正したものです)