世界大家族制とベーシックインカム(18)御稜威は無限に大きくすることが出来る

投稿:2022年07月16日

出口王仁三郎は御稜威(みいづ)紙幣の発行によって税金を廃止すべしと唱えた。

現在の日本では約100兆円の税金が国民に課せられている。
令和元年(2019年)度の場合、国税は約62兆円、地方税は約41兆円、合計103兆円である。
総務省「令和3年版地方財政白書

これらの税金を廃止して、その分を御稜威紙幣の通貨発行益によってまかなうことなど出来るのだろうか?
実際に出来るかどうかは別として、国の御稜威ということについてもう少し考えてみよう。

御稜威紙幣(御稜威為本)は、御稜威という、目に見えないものに価値を置いた貨幣制度である。
それに対して「金銀為本」は、物質(モノ)に価値を置いた貨幣制度である。
モノが少ない時代には、貴重だから、それに重きを置いて来たのは仕方ないことだろう。
しかしテクノロジーが進化して、モノに満ちあふれた時代になると、モノに対する信仰は自ずと薄れて来る。
また、いろいろなモノが出現すると、価値観は多様化し、金銀の価値は相対的に小さくなる。金銀よりダイアモンドやビットコインの方を欲しがる人もいるであろう。

目に見えないもの、形のないものに対する経済的価値が大きく注目されるようになったのは、第二次大戦後のことだ。
特許だとか著作権のような知的財産は戦前からあったが、本格化するのは戦後のことだ。
特にITの時代になるとデジタルコンテンツというものが身近なものになり、誰もがコンテンツを作って売ることが出来るようになった。ユーチューバーもその一つだ。
現代ではひょっとしたら、モノ以外のものの方が、経済的価値が高いかも知れない。

昔の億万長者は、モノの売上から利益を得ていた。
ロックフェラーは石油王だし、ロスチャイルドは金融王だ。
ビジネスの利益によって、巨万の富を手にした。
現代の大金持ちは、IT長者がほとんどである。
マイクロソフトのビル・ゲイツ、アマゾンのジェフ・ベゾス、フェイスブックのザッカーバーグ、オラクルのエリソンなどなど。
彼らIT長者は、ビジネスの売上そのもので富を築いたわけではない。
モノやサービスの売上の中から貰った報酬や配当では、たいして富は築けない。毎年10億円貰っても、10年で100億円にしかならない。
彼らはみな10~20兆円以上の資産を持っている。
そのほとんどは、自分が創業した会社の株だ。
最初は1万円だった株価が、努力して企業価値を高めた結果、1億円になったのだ。株の値上がりによってとてつもない富を築いたのである。
こういうことが可能になったのは比較的最近のことである。王仁三郎が生きた大正~昭和初期の資本家は、配当で富を築いていた。労働者から搾取した、と言っても過言ではない。しかしIT長者たちは労働者から搾取はしていない。むしろ他の会社よりも多い賃金を払っている。高賃金で優秀な労働者を集め、他社より優れた製品を開発して、それによって会社の価値を高め、株価を高め、最初に投資した金額の何百何万倍もの資産を手にしたのである。

これは企業の話だが、企業価値を高めて富を得るということが分かれば、国の御稜威によって通貨発行益を得るということも、似たようなものとして理解できる。
モノは有限であり、モノに価値を置くと、奪い合いになる。帝国主義がその最たるものだ。領土、領民、資源を奪い合った戦いが、第二次世界大戦だ。
しかし目に見えないもの、形のないものは無限である。そこに価値を置けば、奪い合いにならず、無限に拡大して行く。
企業価値だとか、国の御稜威もそれだ。
株価は無限に高くすることが出来る。
国の御稜威も無限に大きくすることが出来る。

(続く)



(このシリーズは「霊界物語スーパーメールマガジン」令和2年(2020年)8月24日号から12月28日号にかけて25回連載した文章に加筆訂正したものです)