世界大家族制とベーシックインカム(16)御稜威紙幣についてここまでのまとめ

投稿:2022年07月16日

出口王仁三郎が説く御稜威(みいづ)紙幣について、過去数回のまとめ的なことや補足的なことを書いておく。

御稜威紙幣とは具体的にどういうものなのか、王仁三郎はあまり多くのことを語っていない。
次の文章は、第12回で紹介した「神政運動について」の一部分だ。

(略)金銀為本を廃(や)め、土地為本の制度にするが最も平易にして簡単で、効力の多い御稜威為本としたならば、必要な金はいくらでも出すことで出来る。もちろん無茶苦茶に出してはいけないが、まず日本を徹底的に建直すにおいては、一千億円の金が要ると思うのである。
この一千億円の紙幣を陛下の御稜威によって御発行になったならば、農民も商工業者も、その他総ての苦しんでいる人達を救うことが出来るのである。つまりその紙幣によって、日本国がすっくりと建直るまでは五年でも六年でも総ての××(注・伏せ字だが「税金」だと思われる)を免除する。そうしたならば日本の国は数年ならずして本当の元の天国浄土に立還ることが出来得るのである。これは経済機構の都合で何でもない仕事である。
〔『惟神の道』(昭和10年発行)所収「神政運動について」〕

御稜威紙幣で分かっていることは、まず
(1)金銀為本を廃止して御稜威為本にすること。そしてそれによって
(2)「必要な金はいくらでも出すこと」が出来る。ということだ。

既存の概念に当てはめると、
(1)が管理通貨制度のようなものであり、
(2)が政府紙幣のようなものだと思う。

通貨の価値が、金の価値によって決まるのではなく、その国の国力によって決まるのが管理通貨制度だ。
管理通貨制度では、円やドルなど主要通貨は、自由な市場原理で、つまり通貨の売買によって、その国の通貨の価値が決まる。
その国の信頼によって通貨の価値が上下する。その国の政府が何か重大な政策を発表したり、事件が起きるたびに、相場が上下動する。
しかし相場に任せっきりだと色々問題も起きる。円高すぎても困るし、円安すぎても困る。
それで政府が政策によって為替市場に介入し、通貨の価値を管理して行こうというのが、管理通貨制度だ。

自由な相場における通貨の価値は、その国の「御稜威」によって決まると言ってもいいのではないだろうか。
民間の経済活動や、政府の政策、治安や教育なども含めた、その国の総合力だ。

金本位制を止めることになった理由の一つは、経済規模が大きくなるにつれ、お札の数だけの大量の金を確保するのが難しくなったからだ。
管理通貨制度では、お札の発行量が、保有する金の量に縛られずに、好きなだけ発行できる。
しかし、お札を作るということは、お金を作ることではない。
単純に言うと、銀行預金を引き出す時にお札を発行するだけのことで、政府の財布が肥えるわけではない。
政府の財布を肥やす方法が、政府紙幣だ。
「必要な金はいくらでも出すこと」が出来る仕組みだ。
これもまた「御稜威」と言える。
しかし無制限に出せるわけではない。
出し過ぎるとインフレを招く。
それは王仁三郎も承知しており、「もちろん無茶苦茶に出してはいけない」と言っている。

その額として1000億円という額を示しているが、それは窮乏した日本を立て直すのに、そのくらい要るだろうという希望額であって、その額にこだわる必要はない。
第13回で書いたが、当時の国家財政の規模は20億円くらいだ。1000億円の御稜威紙幣(という名の政府紙幣)はさすがに多すぎると思う。
しかし金額はともかくとして、それだけ沢山の政府紙幣を出しても、日本は国力(御稜威)があるので、平気だということを言いたいのだろう。
それによって、税金を廃止したり、国の借金や人々の借金をチャラにしたりして、困窮する人々を救おうということだ。

(続く)



(このシリーズは「霊界物語スーパーメールマガジン」令和2年(2020年)8月24日号から12月28日号にかけて25回連載した文章に加筆訂正したものです)