三鏡解説037 論語読みの論語知らず

投稿:2020年10月09日

●水鏡「論語読みの論語知らず」
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=kg037

女が男より先にお湯に入ったという小さな出来事のため、やかましい問題を惹き起こすことが度々あるという事を聞くが、宣伝使たち、霊界物語をどう読んでおるのか。男女同権は神の定め給うた規則である。女が先にお湯に入っては悪いという理由がどこにあるか。そういう事を言う人たちは、男が女よりも特別優れて生まれているというような迷信に陥っておるからである。

こういう旧(ふる)いこびりついた頭を持っていて、いつの日か神書霊界物語に盛られたる天地の真理を実現することが出来ようか。事柄はいと小さいけれど、神書に示さるる道理を無視し、旧来の道徳を標準として人を裁くという事は間違いのはなはだしいものである。
こういう見易い道理さえ分からぬ人が宣伝使の中にも多いのは困ったものである。

無論、夫婦となった男女は針と糸との道理、すべてに夫を先にすべきは申すまでもない。
また女が月経中入浴を慎むべきは当然である。

初出:『神の国』大正15年(1926年)10月号

まずタイトルの「論語読みの論語知らず」ですが、これは諺です。
広辞苑によるとその意味は「書物の上のことを理解するばかりで、これを実行できない者にいう」ということです。
この水鏡の教示の中では、論語ではなく、霊界物語を読んでいても何も実行できていない、と戒めています。

「女が男より先に○○をした」ということで揉めることは、さすがに現代日本ではあまりないでしょうけど、当時は男尊女卑社会ですから、そういうことで揉めることもたびたびあったのでしょう。
男女同権が神の定めた規則である、と王仁三郎は言っています。
しかしその一方で、夫婦になったら夫を先にすべし、とも言っています。
何だか矛盾しているように感じるかも知れませんが、それはおそらく次のような意味だと思います。友人のようなフラットな関係であれば男女は平等だが、夫婦というのは最小の社会であり組織である。組織であれば順序は必要である…と。

神は順序であり、順序を破れば秩序が乱れる、ということが霊界物語で教えられています。
https://reikaimonogatari.net/index.php?obc=rm6525&mka=a110-a123#a110

天と地、火と水、日と月、厳と瑞などのように、夫婦というものも、どちらが偉いということではなく、対等であり、それぞれ役割を持っていますが、しかし順序は必要です。順序とは秩序であり、宇宙は秩序によって正しく運行しているからです。
そういう観点から、夫婦になったら夫を先にすべしと言っているのではないかと思います。
ただしどちらが先に入浴するかなどというのは、今となってはどうでもいいようなことです。しかし当時は水は貴重ですし、薪を焚いて湯を沸かしていたので、一番風呂に誰が入るかということはどても重要だったのだと思います。ですが現代では蛇口を捻ればいくらでもお湯が出る時代ですので、一番でも二番でもそんな重要なことではなくなっています。
最後の、女が月経中入浴を慎むべき云々というのは、ただの一般論で、何か宗教的意味があるわけではないと思います。

ところで世の中にはレディーファーストという言葉があります。
たいていの人はあまり気にしないでしょうけど、うるさい人に言わせれば、あれは女性差別の裏返しです。
先に入るな、ではなく、先に入れ、です。
レディーファーストだと、女性は『大切にされている』と感じるかも知れませんが、うるさい人に言わせると、女性が『大切にされている』ということに喜びを感じること自体が男性優位社会の産物だ、そのように男性に感じさせられているのだ、ということになります。
まあ、世の中にはいろいろなものの見方があるものです。


三鏡解説 目次


この記事は『霊界物語スーパーメールマガジン』2019年8月8日号の記事に加筆訂正したものです。(メルマガ登録ページはここをクリック