出口王仁三郎が創始した大本からは色々な新宗教が派生していますが、その一つに「日月神示」があります。
詳しくはウィキペディアを見て下さい。
その日月神示に「悪を抱き参らせる」というフレーズが出て来ます。
「抱き参らす」と言っても、敵の体を抱き締め、プロレス技をかけて降参させる…という意味ではありません。(^_^;)
ネットを探っていたら、悪を抱き参らせる体験をした人を見つけました。
次のブログに書いてあります。
「悪を抱き参らせる体験」(真日本建国)
http://jinga123.blog118.fc2.com/blog-entry-20.html
ブログ主はJINGAさんという人です。
詳細はブログを直接読んでいただくことにして、概略だけ紹介します。
──JINGAさんがあるセミナーに参加したとき、参加者の一人、Aさんの言動が突然おかしくなりました。
目がうつろになり、舌なめずりをし、言葉遣いが荒くなり、語尾に「~じゃ」をつけてしゃべるようになったのです。
そしてJINGAさんに対して、シャドーボクシングのように殴るマネをして来ます。
JINGAさんは手を出さず、腕組みをしてAさんを見つめました。
Aさんはしきりに挑発し、「お前、殴ってみろ」と言い出しました。
それでも手を出さないJINGAさんにしびれを切らし、JINGAさんの手を取ると、自分(Aさん)の頬にパンチを入れ始めたのです。
JINGAさんは無性に切なくなり、「もういい、もう自分を痛めつけるのはやめろ」という想いでいっぱいになりました。
それは乱暴者を息子をなだめる母のような心境でした。
そのときJINGAさんは、足を一歩踏み出して、Aさんをハグしたのです。
なぜそうしたのかはわかりません。
そしてAさんの背中をポンポンと叩き、その頭を撫でました。
するとAさんは
「おお、すまなかったのう。大丈夫か?」
と言って、JINGAさんの髪の毛を直してくれたのです。
その後Aさんの体は脱力して、催眠術にかけられたかのように、後ろにスーと倒れました。
JINGAさんはAさんの体を、そっと床に寝かすと、横にしゃがみこんで、胸をポンポンと叩きながら、まるで子供を寝かせつける母親の心情になっていました。
それはすごく切ない気持ちでした。
──という体験です。
半ば狂乱状態の人を落ち着かせたわけで、これは「言向け和す」そのものだと思います。
JINGAさんは、最後に次のように書いています。
──先に手を出さない。こちらから攻撃をしない。相手の手に乗らない。
何があっても、何を見ても、絶対に真コトを貫く。
排除するのではなく、抱き参らせる「親の愛」が大事である。──
全く「言向け和す」ですね。
このときJINGAさんは何かを意図して動いていたのではなく、無意識的に動いていたようです。
狂ってる人を意識的にハグすることはなかなか難しいと思います。恐いですからね。
この時は、自然と体が動いたからできたのでしょう。
ハグをした、ということで、文字通り「悪を抱き参らせた」のです。
○ ○ ○
実際に物理的なハグをしなくても、悪を抱き参らしてしまうケースもあります。
ときどき次のようなニュースが報道されます。
民家に強盗に押し入ったのに、その家の一人暮らしのオバチャンに説教され、結局何も盗らずに逃げた、という事件です。
「間抜けな強盗」ということで報道されるのですが、しかしそのオバチャンって、どんな人なんでしょうかね?
もちろんケースバイケースでしょうけど、強盗に対して正義感を発揮して勇敢に立ち向かって撃退した男勝りのオバチャン・・・というよりはむしろ、下町の人情オバチャン的な姿を私は思い浮かべます。
つまりその強盗が自分の子供のような年齢で──こんなバカなことをして人生台無しでしょ、親に迷惑かけないでマジメに働きなさい・・・みたいなことを説教している姿が目に浮かびます。
さすがにハグはしないでしょうけど、強盗するのをあきらめて逃げて行く犯人に、千円札の2~3枚でも手に握らせたかも知れません。「お金に困っているならこれを使いなさい」と。
強盗にしてみれば完全に「抱き参らせられた」わけです。完敗です。参ったとしか言いようがないでしょうね。
母親の大きな愛で包み込まれてしまい、戦闘意欲が失ってしまったのです。
このオバチャンから見たら、強盗に入られて恐い、という気持ちよりも、バカなことをしている犯人が憐れで、切ない気持ちの方が大きかったのだと思います。
そういう、広く包み込んでしまうような愛が、親心であり、神心です。
言葉自体で言向け和したのではなく、その態度で、言向け和したのだと思います。
次回は「悪を抱き参らせた」と言えるような体験をもう一つ紹介します。
(続く)