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内田良平の予言?「世界統一をくわだてているのはロシアとアメリカ」

Published / by 飯塚弘明
投稿:2022年06月24日

戦前の人類愛善新聞を見ていたら、昭和5年(1930年)10月3日号で黒竜会の内田良平が「現在世界統一をくわだてているのはロシアとアメリカ」で、ロシアは「ピョートル大帝がくわだてたところの世界統一の血を受けている」と書いているのを見て驚いた。現在のことを言っているかのようだ。

ウクライナ戦争は、自らをピョートル大帝になぞらえているプーチン大統領とアメリカとの戦争である。何と百年前から世界は何も変わっていないのか…!

(略)この世界統一は昔から企てられ西洋にあってはアレキサンドル、ナポレオン、ペートル大帝(注・ピョートル大帝)、近くはカイゼル等ことごとく然りである。また東洋においてもジンギスカンを始め多くの人が実行しているが、東洋から蹶起した者の方がはるかに実行的で、かのジンギスカンはその八分通りを完成した(注・モンゴル帝国がユーラシア大陸のほとんどを支配下においたということ)と歴史に伝えられている。

現在世界統一を企てているのは、ロシアとアメリカである。前者は世界で最も多い貧民階級の結束を計って統一を企て、共産主義なる主義主張を振りかざしているが、それは共産主義ではない。かつてはペートル大帝が企てたところの世界統一の血を受けている、いわゆるロシア魂の発露である。

またアメリカは黄金の力をもって世界統一を計り、その勢力はヨーロッパを征服し、東洋にまで殺到して来ている。

然して現代の日本はこの二大主義のいずれにか従わんとしているのであって、日本自体から出発している世界統一運動は今のところ見られないけれども、昔からの武力主義が世界統一に成功しなかった如く、共産主義も黄金の力もある点まで行くと崩壊し失敗する。それはいずれもその思想に可能性を具備していないからである。

それでは何をもって世界統一を計るか。それは平和の道をもって行くより他に方法はない。今日の日本は釈迦の説く末世末法の世界で、すべての点に行き詰まりを来している。この行き詰まりは更に深刻の度を加えて、日本は一度国家的死に逢着するであろう。それは早くて五年遅くも十年後には必ず訪れて来る。その死んだ時こそ日本の復活の時であって、天皇主義が出現する時である。天皇主義はやがて真の人類愛と一致するものである。

世界の人類はことごとくこれ赤子(せきし)であると仰せられてある如く、これこそ日本精神──惟神の道である。人類愛善運動はこの末世である死に瀕している現代の日本にとっては微力であるかも知れない。しかしながらやがて来るべき日本の復活と共に偉大なる歓喜をもって迎えられるべきは必然である。(略)

『人類愛善新聞』昭和5年(1930年)10月3日号p1