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王仁三郎の愛犬シロ

Published / by 飯塚弘明
投稿:2020年02月13日

近頃、外国で日本の秋田犬の人気が高まっているそうですが、王仁三郎の晩年の愛犬も秋田犬でした。
名前は「シロ」です。写真が残っています。↓

王仁三郎の晩年に側近をつとめた三浦玖仁子さんの回想記『花いろいろ ~出口王仁三郎聖師の側近七年の記録』(昭和63年発行)にシロのことが詳しく書いてありますので、引用してみます。

…ご洗顔のあと、まず雨戸を開けて、シ口、シロとお呼びになります。するとどこからともなく、シロがまっしぐらに飛んできます。純白の秋田犬であります。

 そのシロについて少し書いておきます。聖師さまが未決(注・刑事被告人を収容する現代の拘置所のこと。昭和17年8月7日に釈放されて亀岡に帰宅した)からお帰りになってまもなく、秋田の高橋早苗という方から一匹の秋田犬が届けられました。その方から私はお手紙を頂いたことがありますが、そこには次のようなことが書いてありました。

 ─大東亜戦争中のこと、街の中で利口そうな純白の犬に出会いました。あまり犬を好まぬ私がどうしたものか無性にその犬にひかれました。私は飼い主に「日本一偉い人に贈りたいからなんとかなんとか譲ってもらえないか」と頼みこみました。飼い主は「米と交換するなら差し上げましょう」と言われました。さっそく米集めにかかり、譲ってもらいました。次の問題は輸送でした。しかしこれも、親しくしていた駅長に煙草持参で頼みこみ、軍用犬としてようやく許可を頂きました。汽車には人もなかなか乗れない時代にほんとうにトントン拍子に話がはずみ、ようやく聖師さまにその犬を贈ることができたのです。─

 こうして、遠い秋田から聖師さまの元に届けられたのです。聖師さまに犬を贈りたい一心であったことが手紙からにじみ出ていました。この犬が聖師さまから寵愛を受けたことは述べるまでもありません。そして因縁の犬なのでしょう、のちに聖師さまの手足となって活躍するのです。シロ、という名付ももちろん聖師さまでございます。

 さて、朝の日課にもどります。聖師さまに呼ばれたシロは聖師さまから頭を撫でられ、貴重なるお菓子を与えられます。私は、それを側で眺めて─ああ、シロはなんと幸せものだろう。シロなんかに上げなくても、私に下さったらよいのに─と、羨ましく思ったものです。それから朝の散歩です。いつもシロがお供でした。(略)ある時、田圃道で転ばれたことがございました。すると、シロが聖師さまのたもとをくわえて、─早く起き起き─と言わんばかりに起こしてくれたということです。聖師さまは帰ってから「ホラ、これ見てみ。土が付いてるやろ」と言って満足そうに見せて下さいました。

『花いろいろ』p51-54

王仁三郎も年を取って体が自由に動かなくなって来たので、手助けのためにシロが神界から派遣されて来た…というような感じですね。

霊界物語でこのような犬として、スマートという名の犬が出て来ます。
宣伝使の初稚姫がいつも連れており、第49巻第8章「スマート」で初めて登場します。
見かけは狼のような猛犬で、色の黒い、メスの犬ですが、初稚姫を守る特別な御用をしている犬で、「霊犬」とも「霊獣」とも呼ばれています。

…スマートの如き鋭敏なる霊獣はその精霊がほとんど人間の如く、かつ本来の純朴なる精神に人間と同様に理性をも有するが故に、よく神人の意思を洞察し、忠僕の如くに仕うる事を得たのである。動物はすべて人間の有する精霊の内流を受けて活動することがある。されども普通の動物はその霊魂に理性を欠くが故に、初稚姫の如き地上の天人の内流を受くることは出来得ないものである。しかしこのスマートは肉体は動物なれども、神より特別の方法によって、即ち化相の法によって、初稚姫の身辺を守るに必要なるべく現じ給うたからである。
〔霊界物語第50巻第8章

王仁三郎の愛犬シロも、スマートのような霊犬だったのかも知れません。

『花いろいろ』に次のようなエピソードも書いてあります。
王仁三郎がシロを使って信者を救ったというのです。

…シロは普段、畳の上に上がるということはありませんでした。(略)この犬は、聖師さまの所にいつもお見えになる信者さんの家をよく知っていました。風邪のため聖師さまのもとに行けなかった人が、玄関に何かコトコトと戸を開けるような音がするので覗いてみると、そこにシロがいて、何か話のありそうな格好をするそうです。最近見ないので心配して来てくれたのであろうと思い、「シロ、迎えにきてくれたのか。私はな、今、風邪をひいて聖師さまのお側にゆけないので、また治ったらゆくからな」と、告げたそうです。するとシロは、いかにも分かったような様子で、すごすごと帰っていった、と語っておられました。また、シロは夜遅く聖師さまのもとを帰られるお客さまを、かならず家の近くまで送ってあげたものです。間接に聖師さまの御用をしていたのであろうことは、いろいろな逸話で間違いありません。
『花いろいろ』p87-88

…終戦後のことです。沖縄の崎山主会長さんから伺った話です。崎山さんが終戦後まもなく参拝された時、聖師さまが、
「沖縄の信者の中には空襲の時、シロに救われた者があるはずだが」
と、口にされたので、崎山さんが沖縄での会合でそのことを尋ねてみたそうです。すると、後方にいた五十歳位の一人の婦人が急に泣きだして、こう話されました。
「沖縄でのあの猛爆撃の時に、防空壕に入っていました。直撃弾が近くに落ちて、壕の入口が土砂でふさがりかけ、危険を感じて外へ出てみました。しかし八方火の海で、どっちに行ってよいやら皆目見当がつきません。ただ、”大神さま、惟神霊幸倍ませ”と大声で唱えていました。するとどこからともなく一匹の真白い犬がとんできて、あたかもこっちだ、こっちだ!と言わんばかりに、後ろを振り向き振り向き、先に走ってゆくのです。これはきっと神さまの使者に違いない、と直感して、犬の後をついて夢中で走りました。どこをどう走ったかは知りませんが、気がついてみると安全地帯に出ていました。犬はいつのまにか消えて見えませんでしたが、確かに神助があったと確信しています」この犬が聖師さまのおっしゃるシロであったことは述べるまでもございません
『花いろいろ』p22

王仁三郎は昭和23年1月19日に昇天しましたが、その後シロはどうなったのでしょうか?

その消息は不明のようです。

…聖師さまがご発病になった時期から、シロのことは人々の脳裏から遠ざかっていました。聖師さまが中矢田農園から瑞祥館(注・天恩郷内の建物)にお移りになってからシロはどうしたのでしょう。ある時、シロが猛犬とけんかをして怪我をしたということを耳にしました。聖師さまのご昇天の直前にシロも死んだとも聞きました。シロは霊界でもやはり聖師さまのお側に仕え、”シロ” “シロ” と可愛がってもらっているのでしょう。
『花いろいろ』p171

ワンコもただの犬ではなく、こういう特別な任務を持った犬もいるんですね。

ちなみに王仁三郎が高熊山修業をして自分の使命に目覚めた明治31年(1898年)は戌年でした。


この記事は「霊界物語スーパーメールマガジン」2018年1月2日号の記事に加筆訂正したものです。(メルマガ登録ページはここをクリック