霊界物語の「普及版」という、薄い本があります。昭和33年(1958)から天声社が刊行を開始した霊界物語のことです。
まだ紙が貴重で経済的にも貧しい時代だったため、とても薄く、文字が小さい。3冊ずつ函に入っています。(↓クリック)
戦前の版や、校定版などと較べると、第60~69巻の配置にかなり変更があります。
全般に見て、発禁となった第71巻(エルサレム物語の後編…現在の第64巻下)をどこに押し込むかに苦労した結果、下の表に見るような大幅な移動となったようです。
下の表は、戦前の版を基準に、戦後の普及版や校定版が、どのように配置されたかを示しています。たとえば、戦前の第60巻第14~25章は普及版では削除され、第61巻第1~15章は普及版では第60巻第14~28章として配置されています。
第71巻は印刷されてすぐに発禁となったため、新たに別の71巻が発行されました。
最後の校正の時に王仁三郎が64巻と合冊して発行せよと命じたため、現在のように64巻が上下の2冊存在するようになりました。
しかし普及版の時には第62巻・第63巻として発行されています。
発禁となった1冊を押し込むために、第60巻の14章以降、つまり祝詞や三五神諭を削除し、60巻前半の物語と、61・62巻の大本讃美歌を再編集して、2冊に収めた・・・というようなかんじです。
戦前の版 | 普及版 | 校定版(注) | ||
---|---|---|---|---|
第60巻 | 第1章~第13章 | 第60巻第1章~第13章 | 第60巻 | |
第14章~第25章 | 削除 | |||
第61巻 | 第1章~第15章 | 第60巻第14章~第28章 | 第61巻 | |
第16章~第25章 | 第61巻 | 第1章~第10章 | ||
第62巻 | 第11章~第42章 | 第62巻 | ||
第63巻 | 第64巻 | 第63巻 | ||
第64巻 | 第62巻 | 第64巻上 | ||
第65巻 | 第65巻(変更なし) | 第65巻 | ||
第66巻 | 第67巻 | 第66巻 | ||
第67巻 | 第68巻 | 第67巻 | ||
第68巻 | 第69巻 | 第68巻 | ||
第69巻 | 第66巻 | 第69巻 | ||
第70巻 | 第70巻(変更なし) | 第70巻 | ||
第71巻(発禁) | 第63巻 | 第64巻下 | ||
第71巻 | 第71巻(変更なし) | 第71巻 |
(注)修補版(天声社)や八幡版、愛善世界社版も、巻の配置は校定版と同じです。