言向和(45) なぜ「言向け和す」が必要なのか

投稿:2017年09月13日

前回紹介した松山氏のこの講演の中で、次のような発言がありました。

カレーの話題の後でこのように話しています。

…このように、食というのは、その土地の気候、風土といったものに大きく左右されます。宗教も同じで、気候、風土、それから歴史、文化、伝統といった色んな要素でその国にふさわしい形に洗練されてまいります。

なるほど。たしかにその国の文化というものは、その国土、その気候風土から生まれて来たものです。
砂漠だとか氷雪のような、生きるのに厳しい環境と、四季が多彩で豊かな自然に囲まれた環境とでは、そこで生きる人間の性質に大きな違いが出て来るのは当然です。

仮に日本の「寛容性のある宗教観」を外国に伝えたところで、歳月が経つにつれて、その国の気候風土によって現地化されて行くことになります。
外国の文化が日本に伝わると日本化されるのと同じことです。外国に日本文化を伝えても、やがて形を変えて行きます。形は残っても中味は変質して行きます。「寛容性のある宗教観」を外国に伝えても、それがその国に根付くとは限らないのです。

では、世界を寛容性のある世界にするにはどうしたらよいのでしょうか?
もちろん、文化を伝えて行くことも大切ですが、それだけでは限界があります。

日本列島から「寛容性のある宗教観」が生まれて来たということは、何を意味しているのでしょうか?
世界を寛容的にしたいというのであれば、それは「世界を日本のような自然環境にしよう」ということになるのではないでしょうか?

砂漠を緑化するなどして、ある程度は人為的な手段で世界を日本化することが可能だと思います。
しかし本格的に世界を変えるには、その程度ではダメです。もっと根本的な改革が必要です。
それは、天変地異によって地球環境が大きく変化するということです。
そのことを百数十年も昔の明治25年から、艮の金神さん(国祖・国常立尊)が出口ナオを通してメッセージを発し始めたのです。「三千世界の立替え立直し」です。

艮の金神こと国常立尊という神様は、端的に言うと、この地球の神霊です。
それは大地の女神とか豊穣の女神ではありません。大地の女神は大本神話では金勝要神(きんかつかねのかみ)と呼びます。
そういう優しそうな女神様ではなく、もっと恐ろしい神です。

国常立尊は、火山からマグマが噴き出してくる恐ろしい力を持った、この地球のことです。
その中心部のコアは400万気圧、5000~6000度という想像もつかない温度で金属が煮えたぎっているこの地球が、その神力を発動させて、大地を震わし、自然環境を大きく変えてしまうのです。その結果、世界中が今の日本のように比較的穏やかな自然環境へと変わるのです。
その時に地軸移動(ポールシフト)も起きます。そういう大規模な天変地異が起きるというのです。

それを「大峠」とも呼びますが、今の人類の在り方では大峠を乗り越えずに、人類が三分(3%)になってしまうと、予言と警告をして来たのです。

天変地異というとトンデモ系と受け取られがちですが、地球の長い歴史から見ると、実はよくあることです。3千年前の縄文時代には、海面が今より高くて東京も大阪も海の底でした。3万年前の氷河期時代には、逆に海面が低くて日本列島は大陸と地続きでした。
そういう長いタイムスパンで見ると天変地異なんてよくある話なのです。そういう数万年、数十万年に一度しか起きないような、あるいは数百万年、数千万年に一度しか起きないような自然現象がやがてそのうち起きるという、醒めた目で見れば、ただそれだけの話です。

動物や鳥や虫たちは地球の鼓動を感じて危険地帯から逃げ出したりするのですから、人類の中にもそれを感じ取る人がいて「ヤバイよ ヤバイよ」と声を発する人がいても何ら不思議ではありません。そのメッセンジャーの一人が出口ナオです。

その大峠を今の人類がなぜ乗り越えられないかというと、たとえばこういうことです。
大峠が訪れると陸が海となり海が陸となるようなことが起こります。その時に民族大移動しなくてはいけなくなります。
しかし今の世界の有り様では、移住の余地がありません。世界中の陸地はすべてどこかの国、どこかの誰かの所有地になっており、勝手に住むことは出来ないのです。避難したところで先住者が「出て行け」と言って衝突が起きるのは目に見えています。
非常時の大混乱の際には挙国一致(国と言っても全世界のことですが)して事に当たらねばなりませんが、とうていそういう状態ではありません。
そこで国祖の神様が昔から、「早く改心せよ」とメッセージを発して来たのです。我利我利亡者と化した人類に対する警告です。

それから百数十年の間に、ずいぶんと人類の在り方も変わって来ました。帝国主義の嵐も鳴りを潜め(今でも中国は帝国主義ですが)、交通・通信網の発達で、かなり「世界は一家、人類はみな兄弟」的になりつつあるとは思いますが、まだまだですね。
しかしもうそろそろ仕上げの段階ではないでしょうか。
世界政府樹立の段階です。
そのための「言向け和す」です。
そのために、太古の神代に天孫降臨し、神武天皇が日本を建国して、「言向け和す」を秘めておいたのです。

   ○   ○   ○

松山氏の講演の中でもう一つ取り上げたいところがあります。
講演の最後の方で次のように話しています。

…私この2年ほどで、前のローマ法王にご招待いただいてバチカンに行ったり、この4月にはここ京都ではダライラマ猊下にご招待いただいてシンポジウムに参加させていただきましたが、世界の宗教家が実はこの日本の宗教観に非常に期待されています。

ローマ法王(カトリック教皇)を始め世界の宗教家が日本の「寛容性のある宗教観」に期待しているということですが、「日本を見習って我が宗教も寛容的になろう」ということでしょうか??
しかし宗教はなかなか寛容的になれるものではありません。寛容的な宗教というのは、最初から寛容的なのです。
残念ながら、キリスト教やユダヤ教やイスラム教は、どうやっても寛容的にはなれません。無理です。宗教を改革しようとすると、闘争が起きて、分裂します。だから最終的には、地球環境を変化させることによって、人間の性質自体を変化させねばならないのです。

しかし、考古学的な発見が、宗教を根本から変化させる可能性もあります。
「百聞は一見にしかず」「論より証拠」で、物証が見つかることで、歴史観・世界観というものが変わる可能性があるのです。

先日、明智光秀が「本能寺の変」の直後に反織田信長勢力の豪族に送った書状の原本が発見されたというニュースがありました。
詳しいことはネットニュースを見て下さい。
http://www.excite.co.jp/News/it_biz/20170913/Cobs_1669569.html
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/11/akechi-mitsuhide_a_23205232/
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201709/CK2017091202000240.html?ref=rank

それによると、光秀の謀叛の目的は、室町幕府を再興することであった、ということです。
本能寺の変の動機については諸説あり、信長に対する怨恨だとか、何者かに操られたという黒幕説だとか、いろいろあるようですが、こういう物的証拠が発見されることで、歴史が塗り変わる可能性があるのです。

たとえば日本から「失われたアーク」が見つかったら、世界の歴史はどう変わるでしょうか?

あるいはまた、フリーメーソンが、太古からの数々の工作を裏付ける文書を世間に公表したとしたら、どうでしょうか?

そういう考古学的発見によって、世界の歴史が塗り変わり、「各地で別々に発展して来たように見える諸民族が、実は太古はみな一つに繋がっていたのだ」という、有機的な連関が見えてくるような歴史観・世界観の大転換が、天変地異の前に起こります。
そういう物的証拠が示されれば、宗教も、根本的な部分から変化を迫られることになります。

これは大本の雛型神業では、出口ナオ開祖の「見真実(けんしんじつ)」という形で顕れています。大正5年に開祖は、自分の手から出た筆先によって、王仁三郎の正体(ミロクの大神)を知ることとなり、世界観の大転換を迫られたのです。
そういうことがやがて世界にも起きます。

これはある意味で「言向け和す歴史観」だとも言えます。
他を非難し、敵を憎み、人類に分断をもたらす歴史観ではなく、すべての出来事は、より良い世界を創るためにあったのだという、世界を一つにするための歴史観です。

それが起きてから、ようやく世界政府も樹立されるのではないかと思います。

(続く)