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言向和(8) 王仁三郎は古事記の皇祖の神勅をどのように捉えていたか

Published / by 飯塚弘明
投稿:2017年07月23日

霊界物語のドラマの中で「言向け和す」がどのように描かれているか、それを紹介して行こうと思います。

しかしその前に、古事記における「言向け和す」について王仁三郎がどのように解しているのかを書いておきます。

以前に書いたように、古事記には皇祖アマテラスが天孫ニニギに「地上を言向け和せ」と命じたという明確な記載はありません。三段論法的に、そのように推測できるというだけです。(第4回参照)

しかし王仁三郎は、皇祖の神勅は「言向け和す」だと述べています。

日本天皇の世界を統一経綸遊ばすのは、外国の大国主系の主権者のやうに、侵略したり、殖民地を拵らえたり成さるのでは無い。天照大神の神勅は言向和(ことむけや)はすのである。徳を以て世界を導くのである。武力や威圧や法律の力では、到底真の平和を招来する事は出来ぬのであります。
〔随筆『神霊界』大正8年8月1日号掲載〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B195502c110701

天照大神の神勅にも言向和せと在り、また神直日大直日に見直し聞直し詔り直すのが、神国の風儀であるから…
〔随筆『神霊界』大正8年10月15日号掲載〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B195502c110702

古事記には、皇祖アマテラスが「言向け和せ」と命じたのは、天孫降臨に先だって地上に降りた使者(天若日子)に命じたことしか記されていません。天孫に命じたとは書いてありません。
しかし神武天皇や日本武尊らが、荒ぶる神々を言向け和して行ったことが記されているので、皇祖は天孫に対しても「言向け和せ」と命じたのだろうと、私は推測するのです。

王仁三郎が「天照大神の神勅は言向和はす」だと説くのは何故でしょうか。
私のように三段論法的に推測したのか?
それとも当時すでに、神道界や歴史学界などでそのようなことが言われていたのか?
あるいは宗教的直感でそのように覚ったのか?
はたまた、『今の古事記は改竄されていて、元々の古事記には皇祖が天孫に与えた神勅が書いてあったんだよ』ということが言いたいのか?
そのあたりは研究不足で何とも言えませんが、ともかく王仁三郎の認識としては「皇祖の神勅は『言向け和す』だ」と捉えていたのです。
そしてその神勅を現実社会で実践するために、霊界物語を書いたのです。

この皇祖の神勅は、天皇に与えられたミッションであり、そしてその天皇が統一した地上の領域が霊(ひ)の元つ国である「日本」国です。天皇のミッションは、この日本のミッションでもあります。全地球を言向け和して統一し、全地球を「日本」にするのが、日本の使命なのです。そのために天孫が降臨し、日本が建国されたのです。

そんなふうに書くと、かなりヤバいスーパーウルトラナショナリズムのようにも聞こえますね。
陰謀罪で捕まってしまうかも知れません。

しかし世界統一というのは、以前にどこかで書きましたが(ここここを参照)、世界各地の言語や法律や通貨などを一つにしてしまうことではなく、人類共通の価値観を見出して行くことです。
違うところを見て『それは違う』と批難し合うのではなく、同じところを見て『同じだね』と共鳴し合うことが、真の統一というものです。
その結果として、表面的な制度や文化が一つになって行くのです。
たとえば「人権」という人類共通の価値観が見出されたら、その結果として世界各国で人権を守るための法律が作られて行くわけです。そうやって世界中どこでも同じような法制度になって行き、そうやって世界が統一されるのです。
武力で国土を合併したり宗教を強制改宗したりするようなやり方は、悪魔のやり方であり、皇祖が命じた「言向け和す」のやり方ではありません。

霊界物語で「言向け和す」という言葉がどのように用いられているかは、前回書きましたが、今回は、霊界物語以外の文献で「言向け和す」が使われている箇所をいくつか紹介しておきます。
なお、「言向ける(言向く)」という言葉は、古事記でも王仁三郎でも、「言向け和す」の省略形として使われている場合が多いようです。

世の立直しと申すのは昔の神代に皇祖の神々が御定め成された通りの、完全無欠の神政を開いて、三千世界を天津日嗣(あまつひつぎ、天皇のこと)の御威徳で言向和はし、天の下四方の国を平けく安らけく知食(しろしめ)し給ふ御神業の完成いたす事で在るぞよ。
〔伊都能売神諭 大正8年3月10日〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=is29#a049

ウクスツヌフムユルウを言霊学の上より結びの段と云ふ。その中にて最も統一する所の言霊はスの声である。即ち結び柱であり、七十五声の中に於て最も権威ある言霊である。現今七十五箇国を言向和す、絶対的権威はスの声の活用、皇道の発揮に依らねば成らぬのであります。
〔出口王仁三郎全集1 「⦿の意義」〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B121801c05

善言美詞を以て、世界を言向和す事が、最も大切である。神の前のみでなく、人の前でも同様に善言美詞を用いねばならぬのである。…すべての争い・悪み・妬みを止めて、善言美辞を以て言向け和さねばならぬ…
〔「宗教不要の理想へ」〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B195302c21

日本は善言美詞を以て、万霊を言向和す神国であるから…
〔随筆『神霊界』大正8年8月1日号掲載〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B195502c110701

大日本天津日嗣天皇の世界統一は侵略に非ず、征伐に非ず、植民政策に非ず、唯一の済世安民の至誠に出づるものにして、言向和平なり、世界人類享生の天職を教導発揮せしめ給ふに外ならざるなり。
〔「世界の経綸」〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=B195502c21062

善言美詞を用いて世界を言向け和せよという壮大すぎる使命を与えられた日本ですが、現今の日本社会は批判やウソ、誹謗中傷、罵詈雑言が街中のWiFiの電波のように激しく飛び交っています。
ああ、果たしてこの聖なる使命を達成できるのでしょうか?
世界を言向け和す前にまず、日本を言向け和さなくてはなりません。
そして日本を言向け和す前にまず、自分自身を言向け和さなくてはなりません。

さて次回はいよいよ霊界物語のドラマの中で、言向け和すの手本を見つけて行こうと思います。

(続く)