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テクノロジーが民主主義を変える

Published / by 飯塚弘明
投稿:2017年07月01日

前回からの続きです。

利己主義(われよし)弱肉強食(つよいものがち)の人民を「体主霊従」の身魂と呼んだりしますが、どんな統治システムでも、どんな優秀な為政者でも、人民が体主霊従ではうまく行きません。
太古の神代に国祖・国常立尊(地上霊界の主宰神)や素盞嗚尊(地上現界の主宰神)が追放されたのも、これら体主霊従と化した人民が追放したのです。

自分の願望が叶った世界が良い世の中だと思い込み(われよし)、それを武力や金力や多数決によって実現(つよいものがち)しようとしている人ばかりでは、何をどうやってもダメです。
それで時節を待つことになり、三千年とも三十五万年とも表現される長い歳月を経てようやく時節が到来したわけですが、その時節とやらの具体的な内容の一つとして、物質文明の発達、ということがあります。

よく、物質文明(火の文明)によって世の中が悪くなったのだから、次の時代は精神文明(水の文明)だろう、ということで、物質文明を軽視するような人もいますが、それは大きな間違いです。左じゃダメだから右にしようとか、男じゃダメだから女にしよう、というような発想は旧時代の発想です。左も右も、男も女も、みな重要だというのが、ミロクの世の発想です。高度な精神文明と高度な物質文明が合致した世界がミロクの世です。(人間はこの地上において物質・エネルギーを開発利用して行く義務があります。第39巻附録「大祓祝詞解」の天津罪の項を参照)

天国が地上に移写して地上天国(ミロクの世)となりますが、その移写の重要なことの一つに、交通・通信網の発達ということがあります。
天国(霊界)は想念の世界です。誰かを思い浮かべればその人が目の前に現れます。また現界のような言葉や文字によるコミュニケーションではなく、もっと的確に自分の意思を相手に伝えることが出来ます。

…天人は、人間が数時間費しての雄弁なる言語よりも、わずかに二~三分間にて、簡単明瞭にその意思を通ずることが出来る。また人間が数十頁の原稿にて書き表し得ざる事も、ただの一頁くらいにて明白にその意味を現すことが出来る…
〔第47巻第18章「一心同体」〕
http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=rm4718

いわゆるテレパシーのように、ダイレクトに意思が伝わるわけではないようですが、少ない労力で的確に伝わるようです。
この天国の様相が地上に移写したものが、交通・通信網です。テクノロジー(物質文明)の発達で、地上界もかなり天国に近づきつつあります。

昔は(平安時代とか)巻物に恋文を認(したた)めて愛するあの人のところへ送っていたわけです。それで返事がなかなか来ないと『あの人のこころはいずこへ…』とか、恋に想い悩み煩悶していたわけですが、それって無駄じゃありませんか?
今はLINEですぐに結果が分かります。『好き?』『嫌い』と3秒で答えが返って来ます。無駄に悩まずに済むわけです。
コミュニケーションがうまく行かないがために、いかに人類は無駄な時間と労力を費やしていることか。

世の中がうまく行かない最大の理由はここにあるのかも知れません。
利己主義(われよし)弱肉強食(つよいものがち)になるのも、他人の気持ちが分からないからかも知れませんね。
人の心の痛みが分かれば、少しは我を引っ込め、譲歩し、お手柔らかになるのではないでしょうか。
しかし地上界では人の心は見えないのです。現界には限界があるのです。
それを物質文明を発達させることによって、限界を突破し、天国の状態を地上に実現させるのです。
今の交通・通信網は、時間の短縮にはかなり成功していますが、心の奥底までコミュニケーションさせることはまだまだ実現できていません。
脳波を測定してその人が思っていることを知る技術なんかが少しずつ進んでいるようなので、やがて「数時間費して」いた意思伝達が「わずかに二~三分間」で出来るようにもなることでしょう。

民主主義というのは、理屈で言うと「論を尽くしてから決を採る」という原則になっていますが、論を尽くせるだけの時間なんかないし、そもそも人間の数が多すぎるし、それに議論なんかではなく、その人がなぜそういう論を持つのか、その人が背負っている事情まで知ることが出来なくては、理解し合うことなんか出来ません。
それで結局、議論というのは相手を批難攻撃するだけで終わってしまうのです。相手を理解するのではなく、相手を攻撃するための議論です。そんなのはミロクの世とはほど遠いです。
それを、テクノロジーによって変化させることが出来るのです。
物質文明をもっともっと発展させて行かねばなりません。

ミロクの世に至る前には、大きな天変地異(立替)が起きるのですが、しかし王仁三郎は「今までの文明はラジオ、船、飛行機(交通、通信機関)だけは残る」と言っております〔「みろくの世と文明」『新月の光』〕。
文字通りのラジオ、船、飛行機ではなく、もっと違う形で進化させた交通・通信機関です。
「不増不減の霊気を以て電気電話に代える」ようにならないと世界は治まらないと王仁三郎は言っていますが〔第4巻第50章〕、この「霊気」とはいわゆるフリーエネルギーのようなものだと思います。だから、今よりももっともっと物質文明が発達しないとミロクの世には進めないのです。

そして、高度に発達した交通・通信網が出来れば、地上界でも天国のように、意思の疎通が容易になります。
そういう世界が実現されたら、もはや社会の意思決定システムが、君主制であろうと、民主制であろうと、どちらでも相違ないと思うのです。

(続く)